毎年、多くの外国人が観光や仕事で日本に来ます。その中には日本に何年か滞在する人たちもいます。大使館や日本にある商社や会社に動めている人々も多いですが、学問や芸術関係の研究で日本に来る人々も少くありません。
ベルガーさんの専門は美術です。十年前にベルリンの国立図書館で見た日本美術史が、実にすばらしい本だったので、その時から日本美術の研究を決心しました。ベルガーさんは、二年前から留学する機会があり、日本に来ています。今まで一番長く滞在したのは京都で、古い歴史を持つ寺院や、景色が美しい比叡山などには何度か出掛けました。日本語がまだあまり上手ではないベルガーさんは、友たちの小林さんが日本美術について日本語で説明することが、時々わからないので、困ってしまいます。けれども、わからなかった場合は、ベルガーさんは必ず質問し、また見学した後で何度か小林さんと話し合いました。そして、日本に来る前に日本美術について知っていたことが必ずしも正しくなかったことがわかり、もっと勉強する必要があると思っています。
ヘルマンさんは経済が専門で、一年前から日本の大学で日本経済の問題を研究しています。日本に来た時には、日本語が全然できませんでした。ですから、初めの半年は、外国人に日本語を教えている東京の日本語学校で毎日、日本語を勉強しました。新宿にあるこの学校で日本語を習う外国人の中には、日本語の文法を全然知らない人たちや、日本に来た時に日本語の勉強を始める人たちがいるので、この学校で教える先生にとってはとても大変です。半年後には、ヘルマンさんは内容があまりむずかしくない専門の本を少し読むことができるようになりました。また日本人と話し合う時も、あまり複雑でない問題については日本語で意見が交できるようになりました。日本経済の問題を正く理解するのは簡単ではないとヘルマンさんは考えています。
日本文学が専門のリヒターさんは、日本に来る前から日本語がかなり上手でした。リヒターさんは文学を研究するためには、日本語を日本人と同じようによく知っていることが必要だと考えてきました。しかし、日本の若い人たちや普通の人たちが毎日使う日本語がよくわからない場合もあります。また、東京と大阪の人たちがそれぞれ話す日本語のアクセントが、全く違う場合もよくあるので、驚いてしまいます。しかし、リヒターさんにとって日本人の考え方に慣れるのは、それほどむずかしいことではありません。
日本に住んでいる外国人はたくさんいますが、自分の研究で来ている人たちは、大抵日本で過す毎日を楽しんでいます。