Lektion 10, Text 2

第十課 二 誕生日のパーティー

きのうは田中さんの誕生日でした。田中さんは二十二歳になりました。普通、日本の家庭では、幼い子供の誕生日は祝いますが、おとなの場合はあまり特別なことはしません。田中さんも去年は特別に祝いませんでした。けれども、ハンガリー人のティハニさんとドイツ人のクレーマさんは、日本の家庭の雰囲気にまだ直接触れませんでした。ですから、田中さんはきのうの誕生日の機会に、二人を自分の家庭に招待しました。

おととい、ティハニさんとクレーマさんは、新宿のデパートに行き、田中さんのためにプレセントを買いました。クレーマさんは上等なネクタイを選びました。予想以上の高い値段にはちょっと驚きましたが、それを買いました。特に色が気に入りました。ティハニさんは、いろいろ迷い、店員ともしばらく相談し、最後にやっとレコードを二枚買いました。

きのう、クレーマさんは午後五時半に田中さんのうちに来ました。田中さんは友だちの佐藤さんと鈴木さんも招待しましたが、鈴木さんは急に用事ができ、来ませんでした。ティハニさんも他の約束があり、少しおそく来ました。

パーティーは夕方六時ごろから始まりました。まずみんながそれぞれ田中さんに誕生日のお祝いを述べました。田中さんのご両親や兄弟も加わりました。初まは、日本酒といっしょに魚や野菜や卵などのさまざまな料理が出ました。日本の音楽や演劇などについて愉快に話し合いましたが、みんなの意見は必ずしも同じではありませんでした。

食後、妹さんの和子さんがピアノを弾きました。また、佐藤さんは日本の民謡を歌いました。クレーマさんは佐藤さんに典型的な日本の民謡を一曲習いました。けれども、一人では歌いませんでした。ティハニさんはハンガリーの民謡を上手に歌い、みんなはとても喜びました。

そのころ、思い掛けなく小林さんが来ました。田中さんの誕生日のことは知りませんでしたが、偶然に田中さんを訪問しました。

パーティーは夜中まで続きました。ティハニさんとクレーマさんは、一時過ぎに家に帰って来ました。少し疲れましたが、二人にとっては楽しく忘れ難い一晩でした。


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