Lektion 21, Text 2

第二十一課 二 日本の学校

リヒターさんは、十日前に日本に来てから、毎日熱心に東京、名古屋、大阪などにある保育所、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学などの教育施設を視察して回りました。

リヒターさんは、教育問題の専門家で、三年前にドイツ民主共和国の教育省に入ってから現在まで、特に発達した資本主義諸国の教育問題について調査してきましたが、日本は世界の他の国々に比べると、教育に関する国民一般の関心が、とても高い国だという印象を受けました。

きのうは、東京のある私立の中学校を視察した後で、昼食を共にしながら、日本側の案内者である大野氏に、その理由について質問すると、大野氏は、歴史的な事実や、日本に特殊な事情をくわしく説明しました。

日本で近代的な教育制度ができてから、約百年の年月がたち、その前の数百年間に及ぶ封建時代にも、日本では、すでに学校が発達していたという興味深い事実をあげてから、大野氏は、日本人の長い伝統に根ざした強い教育熱は、特に学校に対する積極的な評価と期待という形で現われていると述べました。日本では、すでに二十世紀の初めに、義務教育への就学率が百パーセントに近かったということも、リヒターさんは、大野氏との話で初めて知りました。現在も、日本にある学生の数は、ソ連を除くと、アメリカに次いで多く、高等教育を受ける青年たちの率もヨーロッパ諸国を越えるということもわかりました。

このように、日本は数や統計の点から見ると、先進的な教育国だが、教育の質や制度に関連して、いろいろ困難な問題も抱えていると語ってから、今度は、大野氏がリヒターさんにドイツ民主共和国の教育制度について質問しました。社会主義国のドイツ民主共和国では、教育は市民の基本的な権利で、この原則に基づいて、あらゆる人々が、その能力に感じて、教育を受ける平等な機会を持っているとリヒターさんが話すと、大野氏は、ドイツ民主共和国における教育の内容や、国家の教育予算などについて具体的に質問しました。リヒターさんが、例えば、大学生の約五五パーセントが労働者と農民層の出身で、約五〇パーセントが女子学生で、その上、教育は無料なので、両親にほとんど負担がかからないと述べると、大野氏はとても関心しました。

それから約一時間ぐらい、いろいろ意見を交換しながら、昼食を終えた痕で、リヒターさんは、大野氏の案内で、公立の中学校をもう一つ視察に行きました