あしたから夏休みです。夏休みは一年中で一番長い休みで、特に学生にとっては楽しい期間です。
ドイツ人のワルターさんは、夏休みには大抵毎年どこかへ旅行します。よく外国で夏休みを過ごします。これまでにも何回かポーランドやハンガリーに何人かの友だちといっしょに出掛けました。今年は初めて、日本で暑い夏を過ごします。夏休みには、もう一人だれかといっしょに信州から九州地方まで旅行したいと思っています。そして、何日か日本の普通の家庭に泊まりたいと希望しています。ワルターさんは、都会よりも地方の日本人の生活に関心を持っているので、夏休みの機会に一か月ぐらい地方に住みたいと考えています。ドイツ人のクレーマさんはおととい帰国してしまったので、ハンガリー人のティハニさんといっしょに旅行したいと思いました。けれども、ティハニさんは、もう別の計画を決めてしまったので、無理だと電話で断わってきました。ブルガリア人のペネフさんが日本の地方を旅行したいといつか言っていました。ですから、ワルターさんはきょうの午後、ペネフさんのところに旅行の計画を話しに来ました。
ワルター「来週の初めから一か月ぐらい日本のうろいろな地方を旅行したいと思っています。ペネフさんもいっしょに行きませんか。」
ペネフ「そうですね。でもどこを予定していますか。」
ワルター「信州から九州までを計画しています。」
ペネフ「信州はいいですが、九州の八月は暑いですよ。夏に九州へは行きたくありませんね。北海道の方がいいと思いますが、どうですか。」
ワルター「ええ。でも北海道の景色はドイツの景色と同じようだと聞きましたので、特に行きたいとは思いません。」
ペネフ「ああ、そうですね。」
ワルター「それから、ホテルには泊まりたくないと思っていますが、いいですか。」
ペネフ「去年の夏休みに、私は日本人の家庭に泊まりましたが、家庭生活の習慣が全然違うので、本当に困ってしまいました。それで、残念でしたが、予定よりも早く東京に帰ってしまいました。ですから、今年は日本人の家には泊まりたくありませんね。」
ワルター「それでは、初めの何日かは日本の友だちの家に泊まり、その後はホテルに泊まりましょう。」
ペネフ「そうですね。それから来週の火曜に別の約束をしてしまったので、木曜に出発したいですが、いいでしょうか。」
ワルター「ええ、結構ですよ。」
それから二人は、二時間も話し合い、来週の木曜日からの旅行の計画をかなりくわしく決めてしまいました。