Lektion 14, Text 2

第十四課 二 趣味

中村教授は社会学者で、一週間前からドイツ民主共和国の知識人や勤労者などの幅広い階層の人たちと意見を交換してきました。今週の水曜日には、ベルリンのフンボルト大学の日本学科を訪れ、ドイツ民主共和国の青年たちの余暇の過ごし方や趣味についていろいろ質問しました。

まずレムケさんが、余暇の使い方としてはスポーツが一番健康によいので、毎週一度は必ず友だちといっしょにバドミントンや卓球をすると答えました。また、夏にはほとんど毎日プールに泳ぎに行くと話しました。映画や演劇もきらいではないが、音楽の方が好きで、古典音楽よりジャズやビート音楽の方がいいと述べ、更に、ギターは自分でも弾くとつけ加えました。

マイヤーさんも、レムケさんと同じようにスポーツに一番熱中していると言いました。学生は勉強で運動不足になりやすいので、大学には歩いて行き、また、毎日家に近い運動場のツラックを必ず一、二回は走ると話しました。マイヤーさんは、スポーツは勉強の効果をより一層上げると主張しました。ドイツ民主共和国では、スポーツが非常に盛んで、一般の人々がいろいろな施設を安い料金で利用できます。マイヤーさんは、ドイツ民主共和国のスポーツの実情についてくわしく説明しました。

他の二、三人の学生たちも、ウインタースポーツが特に好きで、冬休みには必ずスキーとスケートに出掛けると述べました。

これに対して、ウルリッヒさんは、スポーツは全然つまらないと反対の意見を述べました。ウルリッヒさんはスポーツよりも小説や詩が好きで、自分の趣味が一番すばらしいと信じています。特に明るい健康なものより暗い悲しい小説や詩が好きだと主張し、自分でも詩を書くので、他の学生たちは、ウルリッヒさんのことをさびしい詩人と呼んでいます。

フランクさんは、もちろん生活の中心は勉強だが、趣味は読書で、スポーツや旅行も同じぐらい好きだと述べました。スポーツの中ではテニスが一番上手で、卓球はテニスほどしませんが、下手ではありません。勉強が忙しく、自由な時間はあまりありません。また、ぜいたくな趣味はお金がかかるので、無理だが、学生に一番ふさわしい仕方で学生生活を最高に楽しんでいると話しました。

シュルツさんの趣味は外国語の習得で、将来の希望は通訳だと述べました。日本語や英語の勉強に一番熱心ですが、文法よりも実用的な会話の勉強の方がずっと役に立つと主張しました。二、三人の学生はシュルツさんの意見に賛成しましたが、他の学生は文法の勉強も同じように大切だと反対しました。

中村教授は、みんなの意見を注意深く聞いていましたが、フランクさんの意見に一番感心しました。