フランス人のブランさん、イギリス人のスミスさん、ドイツ人のワルターさん、そしてハンガリー人のティハニさんは、この三か月間、東京の日本語学校の同じクラスで日本語を勉強してきました。ブランさんとティハニさんの日本語は同じぐらいですが、スミスさんはこの二人ほど上手ではありません。ワルターさんは一番下手でしたが、だれよりも努力したので、四人の中で日本語が一番早く上達しました。
きのうは学校が最後の日だったので、みんなは授業より日本語についての討論の方がいいと希望しました。先生も討論に加わり、四人の先生たちはそれぞれ率直に意見を述べました。
平田先生が日本語の困難な点について質問しました。まずスミスさんが、日本語も英語と同じように単語の数が多く、文法も表現も複雑だと答えました。しかし、日本語は興味深い外国語で、その美しい表現には何よりも感心すると述べ、更に、外国語の中で日本語ほど好きなものは他にないと答えました。
フランス人のブランさんにとっては、日本語の発音が一番むずかしいです。文法がむずかしいと聞いていましたが、それほどではありません。ブランさんは、最近も日本語の作文で、単語の初めの「は」の発音がフランス人には一番困ると書きました。
ワルターさんは、日本語の文法はドイツ語の文法ほど系統的ではないと考えています。ドイツ人にとって発音は文法ほどむずかしくないと述べました。ワルターさんは、五年前から英語と日本語を同じように勉強してきたが、英語は日本語よりずっと上手になったと話しました。
ティハニさんは、まだこれから仕事で日本に二年間滞在します。そして、この前に日本語が今よりもっと上手になると期待しているが、他にも仕事がたくさんあるので、大変だと述べました。日本語の勉強は疲れるが、それでも、一番楽しいとティハニさんは話しました。一日に必ず二時間は日本語の勉強をすると決めましたが、これもなかなか困難です。ティハニさんは、発音も文法もそれほどむずかしくないが、漢字の読み方と書き方が一番むずかしいと考えています。また助詞の使い方もあまり簡単ではないと述べました。
このように、日本語についていろいろな意見が出ました。最後に四人は、これからも日本語の勉強に一生懸命に努力すると平田先生に約束しました。